フィンボスの植物には、種をアリに運んでもらうものが多く存在します。種の表面についた脂質がアリの好物で、アリは種を巣に持ち帰って、脂質だけ食べて、種を地中のゴミ捨て場にすてます。種の中身はぶじで、そこで新しく芽生えます。種は地表にあるままだと、動物に食べられてしまったり、山火事で焼かれてしまったりして、生き延びることが困難です。なので、アリに安全な地中に運んでもらうことは大事なのです。写真はフィンボスにいる代表的なアリと、フィンボスの種です。アリのうち、上段にいる3種は種をよく運びます。下の3種は体が小さく、種を運びません。一番右下がアルゼンチンアリで、アルゼンチンアリは上段のアリたちを排除してしまいます。すると、種を運んでくれるアリが、フィンボスの植物群落からいなくなってしまうのです。このことが、フィンボスの絶滅につながってしまうのではないかと、心配されています。