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執筆者の写真eirikisunamura

世界を支配するアリの生存戦略

2年ぶりの更新となってしまいましたが、8月に新書「世界を支配するアリの生存戦略」(文藝春秋)が発売になりました。2005年、大学の卒論研究のときから研究してきたアルゼンチンアリを中心に、外来アリの生態と防除について解説した本になっています。

本の内容については下記リンク先からためし読みできたりポッドキャストで概略をお聴きいただけますので、このブログでは、ごく少数の方向けと思いますが(汗)、しばらく本の制作過程も含めた内容紹介の記事を書こうかと思います。



まず本の表紙ですが、アルゼンチンアリのシルエット写真を使った特装版です。神戸港の自販機に設置されたゴミ箱で撮影したものになります。捨てられたジュースの缶の中に残った汁をめあてに、アルゼンチンアリがやってくるのです。写真は飲み口の近くをマクロ撮影しており、「す」の文字は「タブをもどす」という刻印の「す」が写り込んだもの。半透明の青色のゴミ箱の中にレンズをつっこんで、外からストロボ光当てて撮影したので、ブルーに黒シルエットという、このような写真に仕上がっています。


本のタイトルの「世界を支配するアリの生存戦略」は、お世話になった編集のTさんのアイディアです。私はタイトルをつけるのは得意でなく、ひねり出した案は「超群蟻襲来-アルゼンチンアリの驚異の生態」でした。同じ文春新書のシリーズに坂爪真吾さんの「日本百名虫」という素敵な本があるのですが、5文字のタイトルが良いなと思い、アリに関連する5字熟語はないだろうかと連想していると思い出したのが、子供の頃から好きな漫画、聖闘士星矢に出てくる「廬山百龍覇」や「襲撃群狼拳」といった必殺技名。蟻ではないですが、無数の動物が襲いかかってくる技であります。。そこで、後者をベースに襲撃超群蟻→超群蟻襲来、とアジャストしました。元ネタの技が素晴らしいので、ポンコツの私でもそれなりの案になったと思うのですが、Tさんが考えてくださった「世界を支配するアリの生存戦略」は新書らしく、知的好奇心をくすぐりそうで素晴らしいと思いましたので、そちらにさせていただきました。ただ、超群蟻のアイディアも、名残を本の紹介ページの見出しに残してくださっています。


ちなみに、タイトルや見出しは上記のノリで、「第1章 BADな外来アリたち」の章タイトルのBADというのは私がマイケル・ジャクソンのファンなので、曲タイトルを使わせてもらいました。外来アリは害虫(悪)ですが、私にとってはカッコイイ存在でもあるので。外来アリは人間によって持ち込まれるので、Who's bad? (だれが本当のワルなのか?)という問題もあろうかと思います。


また、この章の冒頭にはヒアリが登場しますが、その見出しは「深紅の衝撃、ヒアリ」です。こちらは、聖闘士星矢に登場する黄金聖闘士、蠍座スコーピオンのミロの必殺技、真紅の衝撃スカーレットニードルが元ネタになっています。技のおおざっぱな説明としては、蠍座14の星にあわせて最大14発の針で刺すような攻撃を与え、最後の14発目アンタレスをくらって生きていられる者はいないというもの。この針の攻撃をヒアリの毒針に見立てています。ちなみにヒアリの毒針は14発以上くらっても大丈夫だと思います(たとえば「アリ語で寝言を言いました」のM先生は60発以上くらっていらっしゃる)が、アナフィラキシーショックには注意が必要。


次回はヤマザキマリさんにいただいた推薦文や、HUNTERXHUNTERのキメラ=アントと現実世界の外来アリの比較考察などについて書ければと思います。

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