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執筆者の写真eirikisunamura

ツヤハダゴマダラカミキリの論文発表/Publication on the Asian longhorned beetle


『酷似の外来種メスに徒労の交尾 カミキリ在来種への影響懸念』 去年つくば市でも見つかった外来のツヤハダゴマダラカミキリについて緊急的に行った生態リスク評価の結果がApplied Entomology and Zoologyの最新巻号に掲載されています。

日本在来のゴマダラカミキリのオスが、外来のメスに対してけっこうな確率で間違って交尾しようとしてしまうことを報告しました。https://www.ffpri.affrc.go.jp/.../saiz.../2022/20220513.html


スピーディーにやったようでいて、けっこう苦労がありましたので、ここで少しボヤかせてください。

たとえば、在来のゴマダラカミキリは、探すと意外にたくさんは採れないんです。とくに、去年研究を開始したのが7月後半だったので、発生ピークを過ぎていました。フリマサイトで自腹で購入したりもしました。ちなみに買い手がわりと多く、たしか1匹2,000円でも落とせなかったことが有ります。また、投稿途中で海外研究者に近い路線の論文を発表され、原稿の大改訂が必要になったりもしました。紆余曲折によりネイティブの英文チェックも5名から受けています。。


その他、本論文は実験の内容や結果以外にも特徴的なところがあります。まず、実は日本へのツヤハダゴマダラカミキリの侵入は英文での報告がそれまで無く、本論文が初めて和文一般誌の発見記録を整理して紹介する形となりました。海外の研究者はビックリしたかもしれません。また、在来ゴマダラカミキリの学名が日本人研究者と海外研究者とでこの20年ほど食い違い続けているのですが、本論文ではこれまでの食い違いの背景を整理し、その上で海外と同様の学名を使用した点も、本論文の実は大事な点と思っています。


このように、短期間で発表しましたが、苦労してクオリティを高めたり複雑な背景があったりと、ワインでいえば(読者にとって)高コスパ熟成赤ワインに映る(短報で結果は分かりやすいけど読むといろんな情報が得られる→気軽に飲めるが複雑な味が広がる)のではないかと思います(私にとっては高コスパではない)。

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